人事

「私たちは、言ってしまえば煙のようなものなのでしょうね」

火葬場の煙突から昇る黒煙を眺めながら、私  転眼 式見はそんな言葉を口から零す。誰に言うでもない、ただの独り言。

誰に言うでもない、取り留めのない言葉。言い換えるのであれば、無視してもらって構わない独り言。それでも隣に立つ彼  月野 海束は、聞き流すのではなく会話を広げることを選んだようだった。

「煙、ですか」

未詳資料/目録編纂室